第9章 酔いの夜、消えない温もり ※微
爆「今は、今はこれで我慢する…」
最後に、また優しいキスを1回だけ落とした。
爆豪はゆっくり腕をほどき、深く息を吐く。
その目にはまだ熱が残っていた。
爆「俺は本気だからな」
わかってる。
そんなのは嫌という程伝わっている。
この溢れる気持ちはどうしたらいい?
爆「……ンな顔すんな。困らせて悪かった」
「あ…ううん」
まだ頭が上手くまわらないみたいだ。
爆「そろそろ帰るわ、ありがとな」
大きな掌が頭に乗る。
相澤とはまた違う安心感とあたたかさ。
爆「…今誰かと比べたろ?」
「え?いや…、ちがっ…」
爆豪はの手を引き抱きしめた。
爆「比べてンじゃねぇよ…。俺の感覚、しっかり覚えとけ…」
大きな体で強く抱きしめられる。
出会った頃とはもう全然違う。
爆「じゃーな」
爆豪がドアを開ける。
「あ、ま、待って!タクシー呼ぶから!」
爆「チッ…格好つかねェじゃねーかよ…」
嫌そうに眉をひそめた。
はタクシーを呼ぶためスマホを開いた。
そこには通知が1件。
〈消太さん:今日はお疲れ様。無事帰れたか?〉
ドキリと胸が跳ねる。
爆「ンな顔してんじゃねぇよ…」
スマホを眺めるの一瞬の表情を見て、爆豪はさらに眉をひそめた。
電話をかけると、近くにいるからすぐに迎えるとのことだった。
「すぐ来れるって」
爆「ん、ありがとよ」
「お金とかはもう払ってるからきにしないで!」
爆「あ!?なんでだよ!」
「なんでって…あたりまえでしょ?」
爆「はぁ…わーったよ。大人になったら覚悟しとけよ…」
爆豪が背中を向け部屋を後にした。
残ったのは、まだ消えない鼓動と、体に残る温もり。
今夜のぬくもりは、きっと夢の中でも消えない。