第8章 注がれる視線、消えない予感
翌日
学校へ着くと、すごい数の報道陣が待ち構えていた。
(なにこの数!?あ、俊典さんがいるって分かったからか!)
さすがナンバーワンヒーローだなぁ、と少し呑気に考えながら校内へ入ろうとした、その瞬間。
「あ!昨日の新人ヒーローよね!?♡」
「ほんとだ、かわいい……!」
「ちょっとインタビュー!!」
わーわーと何か言いながらこちらに近づいてくる。
「え、な、なに!?」
後ろを振り返るが誰もいない。
前に向き直った時にはもう報道陣に囲まれていた。
「治癒個性、詳しく教えてください!」
「雄英の教師になった理由は!?」
「昨日の現場、怖くなかったですか?」
昨日と似ているようで、どこか違う。
「あ、えっと……」
答えようと口を開いた瞬間、別の声が割り込んだ。
「私生活は!?普段どんな人なんですか!」
「好きなタイプはありますか!?」
「恋人は!?いるんですか!?」
「……え?」
一瞬、頭が真っ白になる。
「え、えっと……そういうのは……」
「昨日の自己紹介、好評でしたよ!」
「もっとさんのこと知りたいんです!」
マイクがさらに近づき、じりじりと距離が詰まる。
「あの、自己紹介はもう昨日してますし…!」
「では、次は恋愛観を!」
「ヒーローとしての理想の相手は!?」
しつこい。
しつこすぎる。
そして正直、めんどくさい。
「あの、もう行かないと…!」
「名刺だけでも!」「最後に一言!」
その時。
相「なにしてる、行くぞ」
パシッと腕を掴んでくれた大きな背中。
「消太さん!」
一気に空気が変わり、包囲が緩む。
振り返って小さく頭を下げると、そのまま校舎へ連れられた。