第7章 教師としての日々、初めてのキス
轟の部屋へと向かい、ノックをすると中から返事が返ってきた。
ガラガラっとドアを開ける。
「お待たせ、焦凍」
轟はを見て嬉しそうに微笑んだ。
近くに座り、目を合わせる。
「ごめんね、色々と驚かせて」
轟「いや、会えて嬉しい」
「ふふ、私も嬉しいよ!」
それからお互いの今までのことを話した。
「もうこんな時間、帰らなきゃ!」
時計を見ると時刻は21:00過ぎ。
は急いで立ち上がろうとする。
「また明日学校でっ…」
パシッ
轟は腕を掴んだ。
「どうしたの?」
轟「わかんねぇけど…。帰らないでほしい」
「っ……」
寂しいと思いっきり顔に書いてある。
高校生とは言え、暫くお母さん居ないし寂しいのかなと思った。
「寝るまで居ようか?」
轟「!!!あぁ」
心底嬉しそうに喜ぶ轟をかわいいと思った。
は運転手さんに、轟が寝るまでもう少し居ると伝え、轟は寝る支度をして布団に入り込んだ。
は傍に座ってずっと話し相手になっていた。
暫くすると静かになり、寝息が聞こえてきた。
「寝たかな」
寝顔は昔から変わってなくてとてもかわいい。
「おやすみ焦凍、また明日ね」
ちゅっ、とおでこにキスを落とした。
昔から変わらない、安心させるための癖。
次の瞬間、ぱちりとオッドアイが開く。
「あ、ごめ――」
言葉の途中で、視界が近づいた。
轟は寝たままの首に腕を回し、逃がさないみたいに引き寄せる。
「…え?」
触れたのは、唇だった。
胸の奥が、こんなふうに跳ねたのは初めてだった。
何が起こったのか全く理解できない。
離れたあと、轟の方が固まっていた。
轟「っ…、つい、したくなって…、わりぃ…」
そう言って、布団に潜っていった。
「あ、ううん…」
轟「手、握ってて欲しい」
控えめに布団から出てきた左手を優しく包み込む。
その手はもう、あの時の燈矢の手よりも大きくあたたかかった。
「……おやすみ、焦凍」
静かな寝息が聞こえてきた。
今度こそ、轟の部屋を後にして家に帰った。