第6章 新たな日々、非合理的な感情
新年度が、もうすぐそこまで近づいてきた頃。
「……よし」
深く息を吸って、ゆっくり吐く。
「頑張るぞ…!」
の足は、あの雄英高校へと向かっていた。
正式な勤務開始は4月1日からだが、挨拶と引き継ぎ、そして業務を少しでも円滑に始めるため、は3月末のこの時期から足を運ぶことになっていた。
──雄英高校。
ヒーローを志す者なら誰もが知る、特別な場所。
コンコン。
中からどうぞ〜と声が聞こえたので、ドアを開けて入る。
校長「やあくん!よく来たね!」
ドアを開くと白いツヤツヤの毛のネズミ?みたいな校長先生が居てとても驚いた。
一瞬言葉を失うの視界に、さらに見覚えのある姿が映る。
「俊典さん!?えっ、なんで!?あ、ごめんなさい…。今日からよろしくお願いします!」
やあ、と小さく挨拶を返すオールマイト。
の胸が、きゅっと小さく鳴った。
——俊典さん。
小さい頃から、治癒のために何人ものヒーローの元を訪れてきた。
その中に、オールマイトもいた。
いつも豪快に笑って、「ありがとう!」と大きな手で頭を撫でてくれて。
最後には、あの大きな体でぎゅっと抱きしめてくれた。
それが、たまらなく安心できた。
ヒーローとして、そして一人の大人として。
にとって、オールマイトはずっと“特別”だった。
アメリカに行くことを勧めてくれたのも、オールマイトだった。
-------「向こうで学べば、もっと強くなれる」
-------「帰ってきたら……一緒に働けるといいな」
そう言って送り出された背中を、今もはっきり覚えている。