第13章 全力の先、静かな想い
本番当日の朝。
は、いつもより少し早めに家を出て雄英へ向かった。
校門前には、すでに大量の報道陣が詰めかけている。
「ヒーローだ!!」
「こっち向いて!」
「一言お願いします!」
「ポーズ!ポーズ!」
朝から騒がしい。
とはいえ、完全に無視するわけにもいかない。
は足を止め、少しだけ困ったように微笑んでから、軽く手を振った。
「今日は雄英体育祭です。生徒たちの頑張り、ぜひ見てあげてくださいね」
その一言で、空気が一変する。
「「「っ……かわいい!!!」」」
「声まで癒しなんだけど!!」
「優し……天使か!?」
シャッター音が一斉に鳴り響き、前列の記者たちが我先にと身を乗り出す。
「もう一回お願いします!」
「今の笑顔、こっちにも!」
「手振って!手!」
「え、あ、ちょ……」
一歩下がりながらも、苦笑いでぺこりと頭を下げる。
「…朝から元気ですね」
その何気ない一言にすら、
「「「かわいいいい!!!」」」
さらに歓声が上がった。
——やっぱり、慣れない。
報道陣は入場検査してもらってから入るようになっているのでなんとかかわしてさっさと学校の敷地内に入った。
校内に入ると、ようやく落ち着いた空気になる。
「おはようございます!」
「「「「おはよう!」」」」
教師陣が一斉に返し、準備にとりかかろうとした、その時。
ミ「ねぇ〜。報道陣、すごかったでしょ?囲まれたりしなかった?」
「あ、はい。ちょっとだけ…でも大丈夫でした!」
ミッドナイトはじっとを見て、ふっと小さく息をつく。
ミ「もう……“ちょっと”で済む存在じゃないのよ。何かあったら、すぐ言いなさいね」
「はい。ありがとうございます、睡さん」