第6章 5章
その日は二度寝した時間が朝方だったこともあって次に目を覚ましたのは陽が出てだいぶたってからで秋くんが後ろから抱きつきながら何やらもごもご話をしてる声が聞こえたから
「あー。……はよ。どした?」
気だるそうな声で誰かと話ししてる
「んー。…ちょっと待ってね。あー。もうこんな時間か。めっちゃ寝た。…おはよ」
あー。電話か。と思いながらまだこの時は微睡んでいた
「うん。もう起きる。電話ありがとう」
手を離して少し伸びをした後、また抱き寄せられて
「ハハ。多分ほんと想像通りだと思う」
そこで気付いてしまった。
何を話してるかは聞こえなかったけど女性の声が聞こえて
多分あの人だ
みるみる覚醒する頭の中
「え……荷物?なんだったかな、、……あー。多分それ新しく買った服だわ。間違えてそっちの住所にしちゃったのかも」
「いーよ。大丈夫。今日取りに行くよ」
はぁ。と軽く吐息をする秋くん
私は心臓がドクドクと波打っていた
「ん?」
その話し方には親しみが込められてて。
以前見た仲睦まじい2人の光景を思い出す
「あー。…ハハ。ほどほどに。だろ?うん。大丈夫。ふらふらしてるけど。今度話させて」
電話の相手にそう言って
私はまだ寝てると思ったのか一度ふわっと頭を撫でた後起き上がって電話を続けながらリビングに行ってしまった
「はぁ」
息を止めてた気がして大きく吐き出した
涙が出そうになるのをグッと抑えたら
鼻がツーンとして
結局少し滲んでしまう
気付いてしまった
秋くんはふらふらしているけど
やっぱり本当に大切な人は1人いて
それがおそらくこの前見た人
秋くんは気まぐれに相手してくれてるだけ
そもそも私からそれが条件みたいなもので釣って
今この関係がある
好きになっては
ダメだったんだ