第6章 5章
「ごめんね。人の家で。我慢出来なかった」
へらっと笑っておいでと手招きされるから窓とベランダの境目に座る秋くんの隣に私も座った
「もうちょいで終わるから。…寒い?」
首を振ってそんな事ないとアピールする
季節は既に秋の装いで少し肌寒い
ふと秋くんを見ると今日は電子タバコ
前回見た時は紙だった気がする
「そいや吸ってるとこ見せてなかったかも。ちなみにつーちゃんは吸わないよね?吸い殻ゴミで見たことないし」
さすが我が家の家政婦様。
「うん。吸わないよ」
「じゃあ臭いよなー。ごめんな。普段あんまり吸わないんだけどね。たまーに?考え事とか。あと付き合いとかでさ」
ヘラっと笑いながらひと吸いし、よし。終わり!歯磨きしてくるから先寝ててと言われて素直にベッドに戻った
寝室
「お待たせー。…よし!つーちゃんおいで!臭いか確かめてー」
タバコ臭いかの確認をさせるために引っ張られて優しく包まれる
パジャマも変えたみたいでいつもの我が家の柔軟剤の匂いがした
「臭くないよー。ていうか気にしなくてもいいのに。…部屋で吸ってもいいよ?寒いでしょ?」
たまに顔を出すAV現場なんてタバコ臭だらけだしりんもたけちゃんも吸うからあんまり気に留めた事もなかった
「ありがとう。でもなんかポリシー?…ていうか俺の先輩も家でこんな感じだから。なんかそれに慣れちゃった。……あとさ、寝る前にせっかくつーちゃん起きてるんだから。キスしたいじゃん?」
そんな事言われて思わず顔を上げると
「ふっ、、ん」
「んっ、、、はぁ。つーちゃん。お休み。」
ゆっくり食べる様なキスをされて
目を閉じる秋くん
そのまま抱きしめられてる私
なんて幸せなんだろう
まるで恋人みたい
秋くんの心臓のトクッ。トクッ。って音を聴き入りながら目を閉じる
願わくば幸せな夢を