第5章 第4章
驚いて固まっているとたけちゃんと暫く話をした後小野さんはたけちゃんの隣に座って向かいに座ってる私を少し照れくさそうに見ていた
「あの、、燕先生。初めまして。小野和之と申します。今回は無理な依頼を引き受けて下さりありがとうございます」
はにかみながら丁寧にお礼を言われてサインなんてすっ飛んでいってこちらも丁寧に頭を下げた
「こちらこそありがとうございます。小野先生の漫画いつも読ませていただいてます」
「そうなんですか?いやぁ。嬉しいです!実はきっかけは知り合いに誘われた舞台が燕先生の舞台脚本で。それでとても感銘を受けまして。失礼ながら調べさせていただいたところ燕先生も漫画家で。しかも同じ界隈だという事で。…僕も全部読ませていただきました。漫画もすごく良かったです。特に女優さん達の感情の動きやそれから、、」
大変だ
小野先生、、
燕ファンだ
チラとたけちゃんを見るが
何故かたけちゃんもうんうん。と頷きながら鼻高々にその話を聞き惚れている
いや、あんたはそこのポジションじゃないでしょ
「いやぁ。嬉しいな。燕先生。僕すっかりファンなんですよ」
ちなみに燕名義は女性向け漫画思考
AV嬢の伝記といえど決して青年アダルト誌の様などちゃくそエロ漫画みたいなリアルいちもつは描かないしお花畑〜みたいな感じでフェードアウトしていく画風
言えない
本業がどろっどろのエロ漫画家なんて
絶対に言えない!!
「…ありがとうございます。すごく嬉しいです。私も小野先生のあのお話大好きで単行本も集めてます」
つとめて明るく爽やかに己の今朝まで清書してた精液塗れの人妻を打ち消して笑顔で対応する
「わぁ!嬉しいです!そうですか!では安心です!」
わくわく、きらきらな反応をしてくださる爽やかな小野先生はその後も話は尽きる事なく、意外とよく喋るなぁ。コミュ力つえぇー。て内心思いながら対話を続けてあっという間に解散の時間になった
「足立さん、もし良ければ燕先生と連絡先の交換は可能ですか?イラストコラボとかSNSのプライベートなものになってしまいますがたまに色んな作家さんとお遊びでやっているので良かった燕先生もお誘いしたいのですが」
丁寧に説明されて、おい。どうする。と言う目を向けてくるたけちゃんを他所に私は快く連絡先を交換した