第3章 第二章
次に目が覚めたらいつの間にか下着から部屋着までしっかり着てベッドで寝ていた
スマホで時間を確認すると既に昼が過ぎてて
秋くんは居ないから帰ったのかな
大きなあくびをしながらとりあえず顔でも洗おうと洗面台に行き鏡を見ると
「えっ、、、嘘」
心なしか髪がいつもよりツヤツヤ〜。
女子力が上がった気がする
なんて男だ
秋岡大地
その日は午後から田中さんが家に原稿を取に来る予定だったのを急遽カフェで待ち合わせることに
ついでに買い物もしなきゃ
人として生活できてなかった冷蔵庫は調味料しか入ってなかった
カフェ
「はい。いただきました。お疲れ様です」
丁寧に鞄に仕舞われる原稿に心の中で別れを告げて新作だとおされたフラペチーノをちゅうっと吸い込んだ
「それにしても。先生どうかされたんですか?」
「はい?」
何故か心配そうに伺ってくる田中さん
「いや、前回の担当から引き継ぎの際に言われたのですが。原稿は間に合わせて頂けますがいつも魔窟と化していると」
「魔窟…………」
確かに昨日の夕方まではそうなってた
秋くんが来るまでは
「それにお食事も忘れられてる時もあるとか。私も時々出前を手配しましたが、先生!確かに少しお痩せになられましたがとても艶やかに見えます」
艶やか
人に初めてそんな事を言われた
「友人が、、手助けしてくれて」
「そうなんですか!いやぁ良かった。…私と先生はまだお会いして間もないですが是非もっと頼って下さいね」
ニコッと笑いながらコーヒーを飲む田中さんに内心ホッとしながらまたフラペチーノを啜った
その後軽く今後の打ち合わせをして帰る頃には夕方になっていたのでそのまま買い物でもしようと最寄りのスーパーに寄った
とりあえず本日の夕食はちゃんと作らなければ。
健康第一!
そんな事を思いながら買い物を済ませてふとサッカー台の前にある窓の外を見ると
あれ、秋くん?
目深に被った見知ったキャップを被る秋くんが買い物袋を持って車に積んでいた
隣には小柄な女性がいて
なんだかざわつく心に首を傾げる