第2章 第一章
「……生?、、先生?つくね先生?」
手をぱたぱたと目の前で振られて思わず脳内再生から現実に引き戻される
「つくね先生。またぼーっとしてますけど」
ペンネームで名前を呼ばれてアハハと頭を掻いて誤魔化す
物心ついた時から妄想癖に長けていたのか、今やちょっとしたきっかけで直ぐにアダルト思考に
我ながら良い職業選んだなと思う
「で、これ。先生なんですよね?」
渋々頷いて、編集長。後で覚えてろよ。と心に決めた。
「やっぱり!絵のタッチ全く違うからびっくりしました!可愛らしい絵も描けるんですね!!」
可愛らしい。で苦笑い
「それで今回お願い……というか、提案がありまして」
お、おじ日2(略)のプロットの出番かなと再び鞄に手を伸ばす
「昨今、このアダルトコミックの売れ行きも。誌面が中々伸び悩んでまして。そこで!客層の幅を広げようかと。」
「ということで、インターネット界隈での客層を見ましたら、なんと!!」
「なんと?」
思わず勢いに同じ言葉で返す
「我々が思っている以上に!女性読者が多いんですよ!、、、特に!つくね先生のおじ日!」
「う、へぇええ?」
立ち上がって興奮する田中さんに圧倒される
「おじ日、、が?」
「はい。おじ日が」
いやいやー!まさか!と手をぶんぶん振りながら頭も振る私に対して田中さんは少し目を細めニヤッとする
「て事で!!
描いてみませんか?
青年誌で!
つくね先生のエロ過剰摂取TL!!」
両手を掴まれてニヤニヤ顔からニマニマ顔
所謂営業顔をかましてくる田中さ、、、田中(悪女)
某居酒屋
「それでー?引き受けちゃったんだ」
新しくきた梅干しサワーの梅をグサグサ刺しながらふーん。と私の話を聞き入るりん
頷いた後机に突っ伏して思わずホロリと涙が一粒溢れ落ちる
「うん。、、でもね」