第3章 第二章
「よし!洗い終わったよ。髪もトリートメントで艶々」
自分の仕事に満足そうに頷く秋くんにハッとする
「うえっ?!いつの間に!」
「気持ちよかった?なんかぼけーってしてた」
どうやらアダルトな妄想中の顔を見てただ純粋に気持ちが良いと思ってると大きな勘違いが生まれていた
「うん」
そんな風に頷くしか出来ない
ごめんね。
秋くん
なんだか純粋な子犬を汚してしまった気分になった
「秋くん、ありがとう。色々」
浴槽に一緒に入り向かい合わせになった時に改めてお礼を言った
「んー。全然いーよ。楽しくてやってるだけだし」
またもやスパダリの気配を感じてゾクゾクする
もっとください
その情報
「なんか、つーちゃんといるとさ。楽しいんだよね」
目にかかる前髪を払われてそんな風に言われる
「珍獣みたさ?」
「それは間違いなくあるけど」
他に理由がある気もする。と目を細める
「つーちゃんって欲望に忠実だからなんか親近感?みたいなのもあるし」
「確かに秋くんも欲望に生きてるよね」
スパダリのモテ男の噂を思い浮かべる
「まぁ。ほどほどに、ね?似た者同士ってやつ?」
「え?誰と誰が?」
「俺とつーちゃん」
何を言っているんだこのモテ男美男子は
「なんておこがましいことを」
「おこがましい?」
それってどういう意味だったっけ?と首を傾げる姿も
滴り落ちる水滴でさえ
美しいのに
「私なんて秋くんに比べたらそこら辺に落ちてる葉っぱと同じくらいだよ」
「なんで葉っぱ?」
あはは。とキラキラ笑う姿なんて完全に陽
「私は隠属性だから」
「いん?……あ、淫乱てことか」
別の意味で捉える秋くん
間違ってはないから否定はしない
「俺さ、知ってると思うけど自由にふらふらしてるから」
「うん」
ええ。もちろん。それでりんに目をつけられて今に至るから