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意馬恋猿〜2人の距離〜

第3章 第二章




そうこうしているうちにインターホンが鳴り秋くんが来てしまった



「ごめんね。忙し過ぎて人の生活できてないの」

「あー。………そしたらやめとく?」
持ってきてくれた差し入れとやらを渡されて中身を確認するとふわっと美味しそうな匂いが

「ちょっと好みわかんなかったから野菜スープなんだけど。胃に優しいから」
飯食ってない感じだったし。と付け加えられる

これは


五臓六腑に染み渡りそうな


「…さっきまであんまり食欲とか感じなかったけど。良い匂いでお腹空いてきたかも。ありがとう」

「いーえ。……ほんと体調は大丈夫?」
やつれてるけど。と覗き込まれる

「あはは。大丈夫!大丈夫!締め切り近いと屍化するのは物書きあるあるだから」
から笑いでその場をおさめようとする

「……俺、多分役立つよ」




「え?」












数時間後



「おわった〜!」

「おー。お疲れ」
背伸びをしてやり終えた快感を味わっているとタイミングよく温かい紅茶を渡された


そこで辺りを見回すと見違えるようで


「え、、うそっ。………これが我が家?」

「ぷっ、、」
そこら辺に散らかってた物が綺麗に整えられていて

人として生活出来なかった数週間が今やっと息を吹き返した様


「……これがスパダリの由縁?」

「は?」

ぶつぶつとつぶやいた用語がよくわからなくて首を傾げる秋くん


「んで?終わったの?その、TL?ってやつだっけ?」
隣に腰掛けてそう問われる

「やっと5話分ね。…でもこれ20話以上連載してほしいって言われてるから」
遠い宇宙を見る目でそういうと

「…部屋のリセット。いつでもお気軽に」

「商売上手だな。…おいくらですか?」
ふふっ。と笑いながら返すと

「んなもんいらねーよ。たまに構ってくれたらそれで」
その言い分がなんだか犬みたいで


「なんか秋くんって大型犬みたいだよね」
背高いし。と付け加える

「そーか?…まぁよく言われるけど。先輩とか親友に」
満更でも無さそうにする秋くんに頭を撫でられそうになるが、その手をつかんで止める

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