第7章 第6章
秋くんの家はグレーとかベージュを基調としてて
落ち着く雰囲気
だけど
「なんか生活感ない」
「……それは。つーちゃんの家に入り浸ってるからじゃない?」
そこ座ってて。とソファに案内される
秋くんが私の家に入り浸ってるのは確か
でも
入り浸りはじめてから数ヶ月たらずだし
きっと私の家に来る前はあの大きなタワーマンションなんだな。と思いを馳せる
結局秋くんの家はあのタワーマンションではなかった
それが現実
「つーちゃん?やっぱり疲れちゃった?」
ぼーっとしてたらいつの間にか隣に来ていて
入れてくれた紅茶の湯気がゆらゆらしているのを眺めた
「ううん。疲れてないよ。秋くん今日はありがとう。運転手してくれて」
「いーえ。…なんか食ってくでしょ?何もないんだよなー。この家。出前でも頼むか」
そう言ってスマホであれでもない。これでもない。と適当に頼む
「あ、お酒もないね!頼むの忘れた」
「酒はいーよ。つーちゃん送っていきたいし」
「…別にいいのに」
ここからも多分家からそんな距離ないから。最悪タクシーでも帰れる
「だーめ。俺に送らせて?あわよくば泊まるから」
へらっと笑って言う秋くん
ご飯が届き、分け合いながら食べて
後片付けしてると
♪〜♪♪
小野先生から電話がきた
「…はい。」
「あ、燕先生。今お時間大丈夫そうですか?」
ちょっと仕事の電話だから。と秋くんにジェスチャーして先にキッチンから出てソファに戻る
「はい。大丈夫です。どうされました?」
「先程脚本の最終稿読ませていただきました。とてもよく出来てて素晴らしかったです」
「ありがとうございます」
思わず頬があがる
大好きな作品の作家さんに褒められるほど嬉しい事はない