第7章 第6章
デートなんて未知なる領域
そもそも何故人はデートなんてものをするのか
なんて哲学的な方向に向かいながら化粧を始める
といっても化粧なんて普段簡単なものだしりんに無理矢理教わらなかったら何もできない引きこもりオタクだ
髪もなんかやんなきゃダメだよね?
デートって忙しい
朝のお願いから慌てて準備をする私を何故か秋くんは嬉しそうにニコニコ見てきて
「つーちゃん。俺一瞬出てくるけどゆっくりしててね。」
ふわっと頭を撫でられて、家を出て行ったと思ったら次に戻ってきた時には紙袋を持っていた
「どうしたの?これ」
「朝飯。パン買ってきた」
後で食お。と未だに髪の毛と格闘中の私にそう言って櫛で髪を優しく溶かしてヘアアイロンをしてくれる
「……ありがとう。でもなんでずっとニコニコしてんの?」
終始嬉しそうな秋くん
「いや?別に?」
そんな風に言いながらどんどん収まってくる私の髪
よっぽどこの人の方が女子力が高い
車内
「んじゃ行くか!」
色素薄めのサングラスをかけて、ドライブでもしよう!と車を走らせる
秋くん。車なんて持ってたんだ。
都内で車もち
なんてファビュラスな暮らし
私は助席に座らされてその横顔も大変イケメンで眼福です。とアホな事ばっかり考えていた
「…ねぇ。秋くん、、、デートって。何するの?」
「もしかして。デート。初体験?」
「………はい」
なんとも居た堪れなくてそう言うと
「んじゃ。デートの王道。してみる?」
そう言って連れてこられたのは