第6章 5章
「そうですね。実は友人にAV監督が居まして。そのつてというか、なんて言いますか…」
「あ、その方ってタレントのりんさんですか?確か燕先生の担当してらっしゃる足立さんの妹さんだとか。何度か僕の原作ドラマに出演していただいたことがありまして。面識はあります」
ニコッと。知ってますよ。と笑顔で言う小野先生
あれ。2人のどちらかが話したのかな?
「そうなんです。それで色んな女優さんとお話しする機会があって」
「なるほど。だからリアリティがあるんですね。納得しました」
うんうんと頷く小野先生
「あ!でしたらりんさんってインティマシーコーディネーターの資格をお持ちだとか!
是非今回のドラマにも参加していただきたいな」
顎に手を当てながら考え込む小野先生
「………あ、すみません。突然黙り込んでしまって」
「いえいえ。全然大丈夫です!」
「実は今回燕先生の影響でしょうか。AVを卒業した方を何名かオファーしたら直ぐに快諾くださって。きっと脚本が燕先生でお顔が知れてるりんさんが現場に居てくだされば心強いんではないかなと」
そのくらいまでなら意見できるので。と微笑む小野先生
「いや!私の影響は皆無です。…ですが、確かにりんがインティマシーコーディネーターで付いて来てくれたら皆さん安心しますね」
そうですよね!と頷いて何やらメモを取り
後日本当にりんにオファーしたみたいだった
居酒屋での次の脚本の打ち合わせを終えて外に出るとすでに外気は冬を訪れさせようとしていた
「小野先生。また奢っていただいて。…ありがとうございました」
ご馳走様です。とぺこっと頭を下げる
「いやいや!これも経費ですから!ちゃんと打ち合わせもしましたしね」
ちょっとふざけて言う小野先生にクスッと笑う
「小野先生は今日タクシーですか?私は駅まで直ぐなので」
そう言って前回御手を煩わせて送られてしまったため帰りの駅までの送迎は大丈夫なことのアピールをする
「……燕先生。今日はもう一件行きませんか?とっておきの場所があるんです」
そういって連れてこられたのはおしゃれなバーで