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幻想科学物語 Ⅱ

第3章 Z=18 食料確保へのロードマップ






食料探索開始してから数日がたった。


食料探索チームはヤギをみつけ、小麦を発見し、いよいよ農耕へと踏み出した。


育てるだけでなく、食糧の研究も同時並行で進めるため、科学王国にも僅かだが小麦を持ち込み、あるものを作成した。


「なんだ?これ。」


「あはは、黒焦げだね。まぁ最初から上手く行かないとは思ってたけど…」


「なんだこれ、うめぇ!」


「これは、岩のようなジャリジャリの食感がめっぽう楽しいな!」


みんなの前にあるのは、黒い物体だった。
現代人は出来上がった産物にがっくりし、石神村の面々は食感と味が美味しいと絶賛していた。


「このパンじゃ、全員くたばる。ちがうか?」


「あぁ、地球の裏までの大航海するには、このパンじゃ、なぁ。」


千空と龍水はガバッと顔を上げた。そして……


「「プロのシェフを叩き起す!!」」


2人同時に叫んだ。


「はもったね……でも、どうするの?石化復活液の在庫は無いんでしょ?」


「あぁ、うんこから作れるが、何ヶ月もかかんぞ。」


「いーや、今すぐに欲しい!」


千空は現実的に、龍水は理想的にお互いの意見を1歩も譲らずにいた。
羽京はどうしたものか、と頭を抱えていた所に空の風を切る音を捉えた。


「まともなパン、でしょ?ルーチェだったら、作れるんじゃないのかな?ちょうどこっちに向かってるみたいだし。」


言うやいなや羽京は空を指指した方向を見ると、この課題を解決できるであろう人物がこちらに向かって飛んでいた。

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