• テキストサイズ

魔王之死刀

第6章 ・闇魂


 彼の言葉に、強い思念が乗る。

(……約束……こいつはこれからも、必ず守り通す漢だ……)

 オセはそこでやっと、ゾロに笑顔を見せる事が出来たのだった。
 さてその後、その魔力と覇気の強化をする為の鍛錬を開始した。
 それには更に、半日を要した。
 しかし、その努力の甲斐あってデミゴット時でも魔力をある程度、自由に使用出来る様になったのである。
 その後、ゾロの真の姿……死皇帝に変異する際に掛かる時間と拒否反応を軽減させる鍛錬を行う為、彼等はトウキョウ議事堂にあるターミナルルームに移動した。

「……おい、ここのAIロボって奴……おれが殆ど壊しちまったんじゃなかったのか?」

 ゾロはオセに、訝しげな表情を向けた。
 その問いに、オセは笑って答える。

「ここにあるのは、な。予備のロボットを軍本部から、全てここに運び込ませたんだ……まあそれも、お前が全て破壊してしまうんだろうから、急遽新しい訓練用ロボットを開発、製造する事にしたんだ。大暴れしても問題ないぞ」

 バーチャルルームを起動させる為、オセはパソコンのキーを叩きつつ、ゾロに一つ質問をする。

「……聞くがゾロ。お前は死皇帝に変異した時、おれを仲魔だと判断したが……やはり、理性は少しは残っているのか?」
 
「……ある程度は残ってるけどな……敵を目の前にした瞬間からは、とにかく、敵を殺す事しか考えねえよ。考えねえって言うか、それしか考えられなくなるんだ。邪魔者はひたすら消す……そんな感じだな」

「なるほど……殺意と闘争本能の塊の様な感じか。敵味方の判断がその状態で付くのは、奇跡的だな」

「相手の心とか魂の状態を見るんだ。そいつの心や魂の状態、思念を読んで、敵味方を判断する……おれには、そう言う能力が備わってるらしい。AIの敵でも思念て奴があるみたいでよ……こんなの作った地球の奴等って、どんな脳ミソしてんだろうな」

 笑顔を見せるゾロの話を聞いたオセは、開いた口が塞がらなかった。
 相手の心や思念を読む……所謂『読心術』……同じ魔王族や魔王でも、この能力を持っているのは今は只独り……大魔王であるルシファーだけなのだ。

(まさか……今迄おれが考えていた事……こいつに全て伝わっていたのか……?)

 オセは、ゾロに恐る恐る訊ねる。

「まさか……それは、死皇帝の時だけ使えるのか……?それとも……」
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp