第15章 ・決意
「そ、そうだったのか……あの時、おれに斬り掛かったんじゃなくて、ダアト迄飛ばしてくれたのか……死神、ありがとな。お陰で、おれはこの通り……魔神族の端くれになれたぜ」
「端くれ等とは、とんでもない……!貴方様は立派な魔王……死皇帝にあらせられるお方なのですぞ……」
その言葉に同調する様に、ロキが言う。
「Hey、Brother!死神さんの言う通りだぜ。強え魔王様が謙遜なんかするなよ、お前らしくねえ」
「ああ、そうだったな。おれは、何れは大剣豪になる魔王……死皇帝だ……魔界にゃ凄え奴らが多過ぎて、ちょっと感覚が狂っちまったぜ」
ゾロは右手で頭を掻きつつ、そう言って笑った。
「そう言う事だよ。さて、ゾロ……そろそろ時間だ。君のボストンバッグを持って来たよ、忘れずにね」
「そうか、デカラビア達から貰った本とか服とかか……こりゃ仲間に運んで貰わないとダメだな」
「荷物が沢山ある様ですので、案内した後に、私めがサニー号迄お運び致します。ご心配なく」
「そうか……悪ぃな、助かるぜ。じゃあ、ルシファー、ロキ……また会おうぜ」
三振りの刀を右腰に差し、ギターケースを左手に、ゾロは二人の盟友を真っ直ぐに見据えた。
ロキも彼を真っ直ぐに見詰める。
「絶対帰って来いよ、Brother……なんかあったら何時でも連絡寄越せよ、ギターの練習も怠るな!」
「おう、判ってるよ」
「……そっちの世界はこれから更に荒れるだろうが……アポフィスの旦那みたいに派手な相打ちなんてしやがったら、闇の底迄追っ掛けて十発位ぶん殴ってやるからな」
ロキの言葉に、ゾロは不敵な笑みを浮かべる。
「……相打ちなんて、おれの柄じゃねえよ。お前こそ、トウキョウの事は任せたぜ。ルシファーとナホビノの力になってやってくれ……くれぐれも無理はするなよ。みんなに宜しく言っといてくれ」
「おう!任せとけ!」
「ゾロ……『刻』が来たら、また会おう。武運を……!」
「では、参りましょうか……荷物と共に、私の傍へ……」
ゾロは荷物を全て念動力で運び、死神の傍に立った。
そして二柱の共に、暫しの別れを告げる。
「じゃあ、お前等……本当に色々ありがとうよ。また会おうぜ!」
死神が大魔王に頭を下げると、小声でトラポートを唱えた。
足元から眩い青白い光が溢れ出した。