第15章 ・決意
そう訊ねるルシファーに、ゾロは静かに頷いた。
「ああ……あいつ等も待ってるだろうしな。でもよ、気ィ失ってたからよ、どっから来たか判んねえ。トラポートが使えねえんだ」
「そうだろうと思ってね、案内役を呼んでいるんだ」
「案内?そりゃ助かるぜ、頼む」
「うん、では……出番だよ、姿を現し給え」
ルシファーの声に応じる様に、テーブル横の床に青白い魔法陣が展開し、黒い影が現れた。
その姿に、ゾロは思わず目を見張る。
「てっ……てめえは、あの時の……!!」
現れたのは、大鎌を持ち、ボロボロの黒いマントを羽織った巨大な骸骨。
キングとの戦いで気を失ったゾロの前に現れた、あの不気味な骸骨だった。
ゾロがソファーに立て掛けていた刀……閻魔に素早く手を伸ばしたその時。
「ゾロ、その者は仲魔だ……敵ではないよ」
静かだが威厳のあるその声に、ゾロの動きが止まる。
ゾロは声の主……ルシファーの顔に視線を移した。
大魔王は頷きその場に立ち上がる。
「ゾロ、君をダアト……魔界に連れて来たのは彼なんだよ」
ルシファーが骸骨に目で合図すると、骸骨は恭しく一礼をし、ゾロに挨拶をする。
「魔王……死皇帝ロロノア・ゾロ様……私は魔人『死神』……貴方様が『幽界』に迷い込んでおられましたので、ダアトにお連れした次第でございます……あの時、私には別の役目がございましたので……手荒な送り方をしてしまいました事、深くお詫び申し上げます」
「魔人……死神……か。そうか、おれは、幽界に落ちてたのか……」
「はっ……恐らく、貴方様の所有する『三代鬼徹』と『閻魔』が、幽界に誘ったものと思われます」
「こ、こいつ等が、おれを?」
手にした閻魔に、ゾロは思わず視線を移す。
目を丸くするばかりの彼に、死神は静かに続けた。
「人々に妖刀と恐れられる刀には、自ずと意思や思念が宿るもの。命の灯が消え掛かったあの時、貴方様の中に眠る『魔神族』の僅かな力に呼応し、二振りの刀が貴方様を蘇えらせる為、幽界へと導いたのです……」
死神の言葉を引き継ぐ様に、ルシファーが口を開いた。
「彼もまた、まだ生きている君の魔神族としての力を感じて、こちらへ飛ばしてくれたんだ。君が幽界へ飛ばされる事がなければ、君と会うのはもっと先だっただろうね」