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魔王之死刀

第15章 ・決意


「吹き込まれた……ってより、おれがこいつにバッサリ斬られただけだ。いい音するんだぜ」

「なるほど……ロックとやらに心奪われたのか。だからレザーパンツを履いているのかい?」

「いや、これもよお……メタルやるならレザーは基本だとかってロキの奴が……でもまあ、悪くねえよ。戦闘にも支障はねえし、おれは気に入ってる」
 
 ゾロは少し気恥ずかしそうに、苦笑いを浮かべた。
 
​「……なるほどね。しかし君みたいなストイックな男だからこそ、ギターと言う奥深いものに、惹き付けられたのかも知れないね」

​ ルシファーは満面の笑みを浮かべながら、ゾロと向き合う様にソファーに腰掛けると、コーヒーを一口飲んでから、トウキョウばな奈に手を伸ばした。

「うん……この甘さ、舌触り……やはり最高だ。ゾロ、本当にありがとう、心遣いに感謝するよ」

「そんなん、どうって事ねえよ」
 
 ゾロは笑いながらギターケースを閉じると、ふと思い出した様に、銃の入ったレザーバッグから厚みのある封筒と財布を取り出した。
 トウキョウへ発つ際、ルシファーから餞別として渡された金の残金と財布である。

​「おい、ルシファー。悪ぃんだけどよ、これ、おれの代わりにロキに渡してくれねえか?ギターを買う時、ちょっと足りなくてよ……ロキがカードって奴で立て替えてくれたんだが……あいつ、受け取らねえんだ」

​ ゾロの生真面目な申し出に、ルシファーは右手を振りつつ笑って言った。

​「ロキが『気にするな』と言ったなら、それが答えだよ。そのお金は僕が君の世界の通貨に替えておくから、財布と一緒に君が持っておくといいよ。その代わり、君は来月から毎月給与を得る事になっているから、そこから少しずつ天引きして、僕からロキに返す、と言うのはどうだい?」

​「……天引きか。借りが返せるならそれでいい。頼むぜ」

​ ゾロは納得し頷き、封筒を預けた。
 ルシファーは封筒を受け取ると、中から札束と小銭を取り出し、数え始める。
 だが、ゾロにはまだ小さな懸念が残っていた。
 足元にある新しい『相棒』と、腰に装備した銀色に輝くリボルバーに視線を遣りつつ、独り言を呟く様に言った。

​「……そう言やあ……こいつら、海の上でも大丈夫なのか?潮風に晒されゃあ、一晩で錆びちまう。それに……もしサニー号がまた沈む様な事がありゃ、こいつ等は海の藻屑だ」
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