第15章 ・決意
「……お前が影響受けたバンドか……へえ、ちょっと、興味あるな」
「だろ?このバンドも名曲が多いんだ。確か、お前好みのベスト盤があった筈だから、後で探しておいてやるよ」
「そうなのか?……なんか色々悪りぃな……ありがとな」
「礼には及ばねえよ、Brother。さて、どうする、飲んでみるか?」
「ああ、せっかくだ、飲んでみるよ」
「じゃあ、決まりだな」
ロキはそう言って笑いながら、手元にある呼び出しボタンを押した。 彼等が店を出たのは夜中の一時過ぎ……タイムリミットはとっくに過ぎてしまっていた。
酒に強過ぎる程強いゾロは、酒を浴びる程飲んでも戦える……所謂『上戸』で、酔うと言う事を全く知らない男だ。
彼は『The Lemmy』を堪能した後、ドイツビールやスコッチウイスキー等、世界各国のビールやウイスキーを注文し、心行く迄味わったのだ。
が、しかし……ロキは千鳥足……と言うより、殆ど歩けていない状態である。
足が縺れ、その靴音は変拍子の様に夜の路地裏に響き、遂に座り込んでしまった。
困惑したゾロは、舌打ちを一つして頭を掻き毟る。
「……ったく、世話の焼けるロックスターだぜ……」
そして、その場で伸びている相棒に、ブツブツと文句を言い始めた。
「……お前、さっきおれになんて言ったんだよ。『酒飲めねえ奴はロックンローラーじゃねえ』って……言ったてめえが酒に飲まれてどうすんだ!全く……」
深い溜息を吐いたその時、ゾロはある事を思い出した。
「あ……そうだ。おれも移動魔法使えるんだった……ちょっとやってみるか」
彼は戻るべき大魔王城の広間を脳裏に思い描き、呪文を呟く。
「よし、ここだ……『トラポート』……」
瞬間、彼等を囲む様にに青白い魔法陣が地面に現れ、夜の舗道を照らし、そして消えて行った。
……彼等は、大魔王城の大広間の前に姿を現した。
しかし、ロキは完全に鼾をかいて寝てしまっている。
ゾロは、少し大きな声でロキを起こし始めた。
「おい、ロキ……いい加減起きねえと、ルシファーにドヤされるぞ!……ったく、しょうがねえ奴だな……」
ゾロは深呼吸を一つすると、泥酔したロックスターの耳元で大声を出した。
「おいっ!凄えイイ女がおれ達と遊びたいって言ってるぜ!!早くしねえと、おれが貰って行くぞ!!!」