第14章 ・新境地
空島と言う、文字通り空に浮かぶ島に、仲間達と共に行った時の事。
空飛ぶ船は、その空島を支配していた『エネル』と言う、自らを神と自称する者の所有物だった。
雷の力を宿した悪魔の実……ゴロゴロの実の能力者……ルフィとの死闘の末、エネルはその船に乗って何処かへ去って行ったのだ。
聞いたロキは、思わず満面の笑みを浮かべる。
「へぇ、そりゃ凄え話だ。まさかお前の世界に、そんな乗り物があるなんてなあ……まあ、このニホンにも『アメノトリフネ』さんって言う、船そのものの神様がいるんだけどな」
「へえ、船の神、か……面白れえな。この世界には、色んな魔神がいるんだな」
ゾロの顔が、思わず綻ぶ。
星の形をした魔神、エイの姿をした魔神、少年の姿にもなれる大魔王……ゾロの脳裏に、様々な仲魔達の顔が浮かんだ。
二つの魔界、そしてトウキョウ。
この一週間で、ゾロはそれ迄見た事のない世界に身を投じ、会った事のない魔神達と出会った。
そして彼自身も……その魔神の一員になったのだ。
サングラスを通して夜空を見詰めるゾロに、ロキは独り頷いた。
「よし!じゃ、ちょっと特等席へ招待してやるよ」
ロキが指を鳴らすと、足元に幾何学模様の青白い魔法陣が展開された。
一瞬で、風景が変わる。
辿り着いたのは『ハネダ空港・第三ターミナル展望デッキ』。
視界が開けたその時、目の前を巨大な鉄の塊が地面を震わせ轟音を起こしつつ、星が瞬く夜空へと飛び立って行った。
「ここは『ハネダ』……国内は勿論、世界中の国とトウキョウを繋ぐ、空の港だ。目の前がA滑走路、奥に見える建物が第一ターミナル、そして左手に見える光の海が、トウキョウだ」
ゾロはサングラスを外し、手摺へと歩み寄る。
航空灯火が、彼の視線を釘付けにした。
延々と続く誘導路の光の列。
離陸を待つ機体のランプとエンジン音。
そして、遠くに広がる大都市の光は、ロキの言う通り、まさに光の海である。
ゾロは暫く言葉を発する事が出来なかった。
が……やがて無意識に、口端を上げ呟いた。
「……本当、凄えな……こんな場所、初めて見た……沢山の光の中を、あんな重そうな鉄の塊が、本当に空を飛んでやがる……」
聞いたロキは微笑みつつ、静かに口を開く。