第14章 ・新境地
未だに肩を震わせ、後ろを向いて笑っているゾロに、ロキは呆れつつ声を掛けた。
「だ……大丈夫だ……しっかし、なんであいつ……ぷんすかぷんすかって……クックック……」
ゾロは暫くの間、笑いを止める事が出来なかった。
数分後、笑い疲れて冷静さを取り戻したゾロを、ロキは呆れ半分に促して再び歩き始める。
彼等は腹時計を鳴らしつつ、近くにあるカツ丼へ向かった。
そこで昼食を済ませた後、再び賑やかな人混みの中へと身を投じた。
暫く歩くと、ロキの視界に目的の店の看板が入って来た。
「着いたぞ……ここだ」
店の出入り口の両サイドの壁に、サッカーチームのロゴが沢山描かれたパネルが貼られている。
ロキに続き、ゾロも店内へと足を踏み入れた。
「いらっしゃいませー」
店の奥から、客を迎え入れる声が耳に飛び込む。
ゾロは店内を見回し、あの選手が着ていたユニフォームを探し始めた。
流石はサッカー……フットボール専門店である。
店の中にはクラブのユニフォームだけでなく、サッカーボールや雑貨、関連雑誌等も沢山陳列されている。
天井近くにはモニターがあり、その画面には試合の様子が映し出されていた。
ゾロは、スピーカーから流れて来る実況と歓声を聞きつつ、お目当てのものを探し始めた。
「何処にあんだ……白と水色のストライプのユニフォーム……」
ゾロは陳列されているユニフォームの間をゆっくり歩く……と言うより、目だけが忙しなく動いている。
「お前、確か国の代表……って言ってなかったか?そんなら、あっちじゃねえかな……『代表ユニフォーム』ってポップに書いてあるぜ」
ロキの指差す方向に、ゾロは歩いて行く。
やはりそこには『ニホン代表』や『ドイツ代表』等、様々な国のユニフォームが陳列されていた。
その時、ゾロの視界に、別のポップの文字が飛び込んで来た。
「……『2026年 W杯は代表ユニフォームを着て応援しよう!!!』……だってよ……ロキ、W杯って何だ?」
「Brother、それはな『ワールドカップ』って読むんだ。四年に一回開催されるサッカーの国別世界選手権の事だよ。大会に出るには地区予選があって、その予選を勝ち抜いた国の代表だけが出場出来るんだ。来年、その大会があるんだよ。昨日お前がテレビで観たって試合……あれは国対抗の親善試合だぜ」