第14章 ・新境地
「うむ、吾輩はこれからここシブヤで、フォルネウスと共にショッピングするのだ。今まさに、奴と待ち合わせの最中なのだが……しかし、遅い、今日も遅いぞ、フォルネウス……!」
何時もの様にクルクルと回りつつ、少々苛立っている様子である。
「へえ、お前等もシブヤで買い物すんだ。おれは昨日から、こいつの案内でトウキョウ観光してんだよ」
「ほう、ロキの案内でトウキョウ観光とは。ゾロよ、それは非常にナイスなチョイスだ。トウキョウは色々と面白い所だぞ」
「久し振りだね、デカラビアさん。元気そうで何よりだ。しかし……またフォルネウスさん、遅刻してんのかい……」
横で聞いていたゾロは、ロキの『また』と言う言葉に眉を顰め、思わず小声で呟いた。
「……なんだよ、フォルネウスの奴、いっつも遅刻して来んのか」
ゾロの呟きを聞いたデカラビアは、思い出した様にぷりぷりと怒り始めた。
紅い体が、更に紅くなって行く。
「うむ!あ奴は毎回毎回、三十分位遅れて来るのだ……いい加減、早く来て欲しいのだがなっ!!ぷんすか、ぷんすか、ぷんすかっ!!!」
星形の魔神の体は真っ赤に染まって行った。
大きな一つ目を釣り上げ『ぷんすか』と、怒りを顕にする。
その独特な怒り方が、ゾロの笑いのツボを再び襲い、刺激した。
「……ぷっ……ク……クククッ……」
笑いを堪えられず、思わず顔を下に向けた。
逞しい肩が、小刻みに震えている。
そんな彼に気付く事なく、デカラビアは怒りに任せて愚痴を言い始める始末。
そこへ噂をすれば影……エイの姿をした魔神が、ビルの合間を縫う様に低空飛行で飛んで来た。
「おお、ゾロにロキではないか。デカラビアと一緒だったとは、こりゃ奇遇じゃのう」
「こりゃっ!フォルネウスっ!!貴様、何時も何時も遅刻しおってからにっ!!早くしないとセールが終わってしまうのだ、急ぐのだっ!!!」
「おおう、そうであった。お前達、まあ、そう言う事じゃから、今日はこれにて……また会おうぞっ!!」
二柱の魔神はそう言うなり、あっと言う間に人混みの中へと消えて行った。
余りの慌ただしさに、ロキは呆気に取られて暫く口を開けたままだったが、やがて。
「……なんだかんだ言って、あの魔神さん達は本当仲良しだなあ……って、おい、Brother……お前、さっきから大丈夫か?」
