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蜘蛛の愛し仔

第1章 ハジマリ×ト×デアイ


「今年もヤバいやつが来やがった。44番奇術師ヒソカ。去年合格確実と言われながら気に入らない試験官を半殺しにしたやつだ─────って何でこっちに向かってきてるんだ!?」

ヒソカはやっと獲物を見つけたと言わんばかりに嫌な笑みを浮かべてる。それを見たトンパは焦り出し、他のゴンたちは固唾を飲む。するとヒソカはゴンたちの前で止まった。

「何か用かよ?」

「君たちに用はないよ♠ね?【エレン】」

「ゔっ」

「隠れてないで出ておいで♦」

「エレノアの知り合いなの?」

「あーうん。そんなとこ。ボクちょっとヒソカと話して来るからまた後でね。」

4人に一時の別れを告げ2人は人がいないところで話をする。

「あの嬢ちゃんとんでもねぇ奴と知り合いだな。」

「エレノアの事エレンって呼ぶくらい仲が良さそうだったよね。」

みんなの嫌われ者の奇術師ヒソカと対等に話しているエレノアを見て誰もがこいつやばいと思い、あるいは嫌悪を抱き、あるいは驚愕の表情を浮かべた。

「なんでヒソカがここにいるの!?」

「もちろんハンター試験を受けるためだよ?それよりエレン♦君のせいでみんな荒れて大変なことになってるよ♠」

どういうことだ?書き置きもちゃんと残してきたはずだが?
行方不明扱いでもされているのだろうか?もしそうだとしたらまずい事になりかねない。
なぜそう思うか。それは昔盛大にやらかしたことがあるからだ。

「流石にあれはないよ♣♥【ハンターになってくる】っていう書き置き♦♠もう少しいい言い回し無かったの?マチなんて予め糸をつけておけばよかったって言ってたよ♥まぁそういうわけで同じくハンター試験受ける僕に絶対エレンを見つけてこい、そして死守しろって団長直々に命令が来たわけだよ♥嘘だと思うなら携帯に電源入れてごらん?」

ヒソカに促され絶対めんどくさい事になるからと電源を切っていた携帯に電源を入れる。
すると鬼のように通知音が鳴り響いた。

不在着信854件   受信メール999...

うわぁ...と思わず苦虫を噛み潰したような表情で言葉を漏らすとすぐさま未だに着信音が鳴る携帯の電源を再び落とす。
電源をつけっぱなしだと下手をすればシャルナークに居場所をハッキングされる可能性あるからね。用心に越したことはない。
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