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蜘蛛の愛し仔

第1章 ハジマリ×ト×デアイ


内心しまったと焦るエレノアを気にせずゴンはキルアに問いかける。

「ボク6歳までとある理由で奴隷だったんだ。」

「「えっ」」

「それを助けてくれたのが家族だった。家族はみんな優しいよ。いつもボクに危害が及ばないように守ってくれる。でもボクは守られるばかりじゃ嫌なんだ。だからハンター証を取ってボクも戦えると証明したい。だからハンターを目指してるんだ!」

「エレノアって家族思いなんだね!」

「そうでも無いと思うけどな...」

褒めるゴンにエレノアは少し照れたように否定する。おそらく照れ隠しだろう。

「ゴンはなんでハンターになろうと思ったの?」

「俺はさ親父がハンターなんだ。で、俺も親父みたいなハンターになりたいと思って。」

「親父ってどんなハンター?」

「わかんない。」

ゴンの素直な答えに真剣に聞いていたキルアとエレノアが我慢できずに吹き出す。

「わかんないって!あははは!」

「お前それじゃ変じゃん! 」

「そう?」

「だって親父みたいになりたいのに親父のことわかんないなんてさ。」

「知らないのに憧れてるなんて変だよ。」

笑われてもゴンは真っ直ぐな眼差しで自身の生い立ちを語り始めた。

「俺生まれてすぐミトさんに育てられたから親父の事写真でしか知らないんだ。」

「誰だよミトさんって」

「ミトおばさん」

「「はぁ...」」 

答えになってない答えにキルアもエレノアもそれ以上何も言えなくなる。
おばさんと言うくらいだゴンの父親の血縁者なのだろう。

「親父も12歳の時にハンター試験受けたんだってさ。合格してハンターになってそして島を出て行った。俺を捨ててまで夢中になったハンターってどんなんだろって!」

「へぇ〜。ハンターになっていつかお父さんに会えるといいね!」

「うん!」

ワクワクとしている2人にキルアは何か考えているのか黙り込んでいた。
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