• テキストサイズ

【ヒロアカ】re:Hero

第18章 きみの隣、それがすべて


ホークスside


あいつの言葉が、胸のど真ん中に突き刺さった。

『……だから、たまに不安になるの』

あの子が――
誰よりもまっすぐで、強くて、優しくて。
それでも俺の前では、こんなふうに素直になってくれるなんて。

ほんとうにもう、
無理。好き。

 

たまらんくらい、好きやけん。

 

「……ちょっと待って、今のは反則やけん」

『えっ?』

俺は笑うしかなかった。
でも、これは照れとかじゃない。

ほんとに、我慢の限界が近い。

「俺さ、さっきからずっと“落ち着け”って自分に言い聞かせよったっちゃけど」

「……それ、もう無理かも」

あいつが目をぱちくりさせてるの見て、
俺は目を細めて、ちょっと意地悪く囁いた。

「なぁ……今すぐ抱いていい?」

 

『っ!?!?』

予想通り、あいつは真っ赤になって固まる。

それがもう、可愛すぎてたまらんくて。

「冗談、冗談やって。……まあ、半分くらいはガチやけどね?」

そう言ってふっと笑えば、
あいつはぷいっとそっぽを向いて、小さく呟いた。

『……私もだよ』

 

その声が小さすぎて、一瞬耳を疑った。
でも、たしかに聞こえた。

『……私も、啓悟のこと好きすぎて、我慢できないときある』

こっちが黙ってしまう。

笑いも吹っ飛ぶくらい、
胸の奥が、じんわり熱くなった。

「……やばい、それ聞いたらもうほんとに限界なんやけど」

『だーめ。文化祭中でしょ』

「うぅ……それが一番キツいやつやん」

俺がわざと大げさにうなだれると、
あいつはくすっと笑って、俺の袖を引いた。

『……あとで、ね』

 

その小さな声と笑顔に、
今度はほんとに、理性が吹き飛びそうになる。
/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp