第14章 仮免の向こう側【R18】

唇を滑らせるたび、柔らかい肌が小さく震える。
吐息を零す声が、俺の耳をくすぐって、
もっと欲しくなる。

首筋に落とした口づけが甘噛みに変わって、
小さな痕を残すと、
そのたびにびくって背中が跳ねる。

「……可愛い。もっと……。」

もう一度、同じところに舌を這わせて、
さっきつけた赤い跡を確かめる。
指で撫でると、小さく首をすくめる仕草が
たまらなく愛おしい。

『……や、ぁ……』

かすれた声が泣きそうに揺れるのを、
笑って飲み込む。

「……隠せないように……つけといてやる。」

首筋から鎖骨、肩、胸元――
全部に俺の「印」を落としていく。
優しくなんかしてやらない。
歯が当たるたび、可愛い声で俺を呼ぶ。

指先が太ももを撫でて、
スカートの中に潜り込むと、
ひゅっと小さく震えた。

「……もう、こんなに熱いのに。」

わざと囁いて耳朶を甘く噛むと、
顔を真っ赤にして目を伏せた。

『……み、ないで……』

「……全部、俺が見んの。」

唇で塞いだ声が、熱くて甘くて、
もう一度火をつける。

腰を抱え上げてベッドに沈めると、
潤んだ目で俺を見上げるその顔が、
可愛すぎて息が詰まる。

「……やば……。」

自分でも笑えるくらい低く掠れた声で吐き出して、
もう一度、痕を刻む。

鎖骨の少し下、肩口、柔らかい胸の脇――
隠せないところにも、隠せるところにも、
啓悟の印をいくつも咲かせる。

『……も、もう……やだ……』

小さく拒む声すら、余計に欲しくなる。

「……照れてんの、可愛すぎんだろ。」

濡れた瞳で俺を睨むふりするくせに、
次の瞬間には声を押し殺して震える。

「……全部……俺の。」

低く、熱を孕んだ声で囁いて、
もう一度唇を落とす。

背中を抱えた腕の中で、
何度も痕を刻んで、
この子を俺だけの色に染めていく。

もうプロでもヒーローでもない。
この夜だけは、
ただの男として、全部を奪い尽くす。