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【ヒロアカ】re:Hero

第8章 優しい休日


シーツの上、
彼の腕の中で、私はただ翻弄されるしかなかった。

熱が、体中に染み込んでくるみたいだった。

爆豪くんは、さっきよりももっと深く私に触れてくる。
唇が頬をなぞり、耳元に、首筋に。

「なぁ……おまえ、気づいてんのかよ」

掠れた声で、そう囁く。

「体育祭から、……いや、その前から……ずっと、こうしたかった」

『……ん、かつき……』

「名前、……呼ぶなって、マジで……」

まるで何かを押し留めるように目を閉じて、
彼の手が私の脚をなぞる。

服の上から、優しく。でも、はっきりと。

「もう……すぐにでも、おまえ全部、俺のにしたくて……」

荒くなった呼吸。
指先が私のTシャツの裾に触れて、今度は――ゆっくりと、肌に触れた。

熱い。
でも、怖くはなかった。

それ以上に――くるおしいくらい、愛しい。

『……して、もいいよ』

そう言った私に、爆豪くんは一瞬だけ目を見開いて――
すぐに顔を近づけて、ふっと笑った。

「バカ。
言うなそんなの。……俺が止まんなくなるだろ」

そして、そっとTシャツの裾を下ろした。

「……まだ、おまえ泣かせる覚悟できてねぇし。
まだ、全部預かるって言ってねぇ。
……だから、もうちょいだけ待て」

そう言いながら、彼は私をぐっと胸に抱き寄せた。
額をこすりつけるみたいに、
くしゃっと、私の髪を撫でながら――

「……次、ちゃんと覚悟してこいよ。
そしたら俺、もう絶対……止めねぇから」

その声が、甘くて、低くて、少し怖いくらい優しくて。

私は、彼の胸に顔をうずめたまま、
なにも言えなかった。
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