第9章 雄英体育祭
轟「親父は極めて上昇志向の強いやつだ。ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが…それだけに生ける伝説オールマイトが目障りで仕方なかったらしい。自分ではオールマイトを超えられねぇ親父は次の策に出た」
緑「何の話だよ、轟くん…」
何のことかわからないデクだったが、今まで黙っていたが口を開いた。
「…もしかして、その目の火傷の痕に関係があるの…?」
轟はまたの方をチラリと見た。
緑「えっ…」
「…そうじゃなかったらごめん。でも何となく…。その痕は偶然出来た物じゃない。違う…?」
は散々傷つけられてきた。
そして個性を使用するために、人体のことをよく理解していた。
そのため傷や傷跡、そしてその位置を見れば、いつ頃ついた傷なのか、はたまた人為的なものか偶発的なものかがなんとなく分かるようになっていた。
轟「…お前の観察力、推理力はやはり目を見張るものがある」
「…そんなこと、ないよ」
(相手の意図を読み取るのはもう癖のようなものだし…傷のこともずっとそういう環境にいたから分かってしまうだけで…)
今日はどんなことをされるのか、事前の知らせを受けていなかったは、持っている道具や格好から推理し、心の準備をしていた。
そんな中でもほんの少しの希望を抱きながら、救ってくれる者か傷つける者かどうかを、目や表情、行動や仕草から意図を読み取っていた。
が身につけたもの、それは不本意な形で手にしたものだった。
そんなことを知らない轟は話を続けた。
轟「"個性婚"。知ってるよな」
緑「あっ…」
(何それぇ……)