第9章 雄英体育祭
轟「やっぱりナノ化していたか…あいつがこんな序盤から個性使うとは思わなかった」
(って思ってたんだろうけど、本気だから…使うよ)
「あっ…」
――と、そこに現れたのは、巨大ロボ。
ゴオオオン!!
複数の巨大ロボが立ちはだかり、生徒たちの前に障壁を作る。
マ「さぁ!いきなり障害物だぁ!まずは手始め!第一関門!ロボ・インフェルノ!」
上「って、わっ!入試んときの0ポイントヴィランじゃねぇか!」
他の生徒たちは立ち止まり、一斉に身構える。
だが――
「……分解」
が軽く呟くと、その体がまたふっと消えた。
ロボの足元を、まるで空気のようにすり抜けていく。
マ「おっとおおっと!?繋原、ここでも不可視のように移動ゥ!?ロボの内部をすり抜けたぞォ!?マジで何が起きてんだ!!」
観客席も騒然。
観客1「いまの、どうやって!?」
観客2「何あの個性!?やば……」
ロボを抜けた先、は何事もなかったかのようにロボを再構成し、地を蹴る。
その背後――ロボに正面から挑みかかる爆豪の爆破、轟の轟音、デクの分析と跳躍、芦戸の滑り、障害を乗り越える生徒たちの動きが次々と続く。
マ「1-A繋原!攻略と妨害を一度に!こいつはシヴィー!」
マイクは隣にある相澤に話しかけた。
マ「すげぇな!一抜けだ!あれだな、もうなんか、ずりぃな!」
相「合理的かつ戦略的行動だ」
マ「さすがは特例枠!初めて戦ったロボ・インフェルノを全く寄せ付けないエリートっぷりだぁ!」
相「エリートからは程遠いよ…あいつは」
相澤は誰にも聞こえない声でそう呟いた。
マ「すぐ後ろを轟が追うー!現在トップを走るのは繋原だァァ!!この静と動のギャップ!!恐るべし特例枠!!」
先頭争いの様相を呈しながら、次なるステージ――崖地帯が、目前に迫っていた。