第8章 ヒーローになる理由
デクは飯田と食堂に行く途中、とお茶子に話しかけた。
緑「麗日さん、繋原さん」
麗「何?」
「どうしたの?」
緑「2人はどうして雄英に…プロヒーローになろうとしてるの?」
麗・「「えっ!?」」
緑「え?」
麗「あっ…えっと、それは…」
お茶子はお金が欲しいからという理由だった。
しかしそれは私利私欲のためのものではなく、両親を楽させたいという願いから来ているものだった。
「素敵だね」
の声は優しかった。
麗「繋原ちゃん…」
「お茶子ちゃんにそう思わせてくれるご両親も優しくて素敵な人なんだね」
麗「うわぁーん!繋原ちゃんまじでいい子ー!」
お茶子はに抱きついた。
「おっ…」
デクと飯田もその様子を見て笑っていた。
緑「繋原さんはどうしてプロヒーローに?」
「私は…」
は少し気まずそうに言った。
「私は…まぁ…端的に言えば、"人気者"になりたくて…かな」
緑「人気者!?」
麗「意外!」
「おかしいよね…お茶子ちゃんや八百万さんみたいに明るいタイプじゃないのに…"人気者"になりたいだなんて…」
飯「そんなことはない!人気者というのは実力あってこそなれる者!それは実績を積んでいい行いをしたいと思っているのと同じことだぞ!」
麗「うんうん!それに繋原ちゃんならなれるよ!」
「あぁ…そ、そうかな…」
麗「うん!だって今だってみんなの人気者じゃん!」
緑「うん。みんな繋原さんに憧れてるよ。あんな風になりたいって」
「みんな…」
麗「だからなれるよ!一緒に頑張ろう!」
お茶子は両手で胸の前に拳を作った。
「うん…うん!」
の表情は入学当初とは比べ物にならないほど、柔らかなものに変わっていた。