第8章 ヒーローになる理由
月曜日
は昨日退院し、学校へ行った。
足の神経も自分で修復し、歩くのに問題はなかった。
(やっぱ少しだけ違和感はある…けど支障はなさそうかな)
学校へ着くとみんなが明るい笑顔で迎えてくれた。
芦「あぁ!繋原さんじゃん!おはよう!」
切「ほんとじゃん!」
上「おはよう!繋原!」
「おはよう」
麗「もう体は大丈夫なん?」
「うん。他の人より回復早いからね」
八「でも無理は禁物ですわ。何かあったらすぐおっしゃってくださいね」
「うん、ありがとう」
するとデクが教室に入って来た。
緑「あぁ…!!繋原さん!!」
デクは繋原の姿を確認すると、一目散にやって来た。
「おはよう、緑谷くん」
緑「おはよう!退院できたんだね!あ、足は大丈夫?」
「うん。治したよ」
緑「よかったぁ…もう歩けないんじゃないかって心配だったんだ」
耳「そんな話聞いてないんだけど?」
緑「あぁ…あの時神経もダメにしちゃったみたいで…でも歩けないかもなんて言ったらみんな心配すると思って言わなかったんだ。それに…」
はデクの続きの言葉を待った。
緑「それに、繋原さんならちゃんと自分で治せるって、そう思ったから」
「緑谷くん…」
(緑谷くんは…私の個性を…力を…信じてくれたんだ…)
緑「でも本当に良かった!」
「ありがとう。緑谷くん」
は心から感謝の言葉を述べた。
そろそろホームルームが始まる。
飯田が席に着けと、騒ぎ始める。
そのギリギリで最後に爆豪が入って来た。
「あ…」
爆「ん?あ…チッ…」
爆豪はの姿を確認すると舌打ちをした。
怪我人に怒声を浴びせた爆豪は少し気まずかったのだ。
やり過ぎたと、自分でも思っていた。
するとは爆豪の席へとやって来た。
爆「チッ……あん時は…」
悪かった、そう言おうとすると
「ありがとう、爆豪くん」
はそれだけ言って自分の席に座った。
爆(んだよあれ…調子狂うじゃねぇか…)
爆豪は苛立つような嬉しいような、不思議な気持ちになったのだった。