第7章 USJ
相『あっ……!』
目を見開かずにはいられなかった。
そこには皮膚を剥がされた痕、火傷の痕、切断痕、おおよそ16の子供が、女の子が負っていい傷には見えなかった。
相(初めて会った時、手を見せられたが、ここまで酷かったとはな…)
医『何があったかはわかりませんが、恐らく心にも同じように傷がついているでしょう…。』
相澤は当たり前だと思った。
こんな傷を負って、どうして何も感じずにいられるだろう。
どうして、平常を保っていられるだろう。
医『…心に傷を負った子は誤った道に進んでしまうことも多い』
相澤は顔を上げた。
医『そしてあの子の個性は強い。敵に回ったら厄介です。』
相『っ……』
医『監督責任者であるあなたが、あの子をよく見て、導いてあげてください。長々と失礼いたしました。では、包帯を巻きますので、あちらに』
相『…はい』
相澤は悔しかった。
あんなにも心優しい少女が、自分の意思ではなく誰かにつけられた傷によって、そんな風に思われてしまうことが。
相(だが客観視したらそう思ってしまうのも分かる…。推測するのは自由だからな。負けるなよ、"事実"にしなきゃいいんだから)
相澤はに向かって言っているようで、自分にもその言葉を向けたのだった。
相「まぁ、どうであれ、今は治すのに専念しろ。おやすみ」
相澤はの病室を出た。
相(……俺は…あいつを"教師"として、"保護者"として、最後まで見ていられるだろうか……別の感情を持ってしまいそうな気がしてならんな…)
そして、そんな不安を抱えながら自分の病室へと戻った。