第7章 USJ
しばらくして皆が帰り、は窓の外に広がる夜の空をぼーっと眺めていた。
(先生…大丈夫なのかな…)
そんなことを考えていると、また扉が開いた。
ガラッ
が振り返ると、そこには心配で、会いたくてたまらなかった人物が立っていた。
「っ…!?」
相「目覚めたって聞いてな。…具合はどうだ?」
相澤は頭に顔に包帯を巻かれ、表情が見えなかった。
それでも声で、優しい目をしているのが伝わった。
「先生…うぅ…ひっく…」
は初めて涙を流した。
相(初めて会った日さえ、泣かなかったのにな…。俺のことで泣いてくれるのか、お前は)
相澤はの近くへ歩み寄った。
「先生がっ…死んじゃうかと思った…!!死んじゃったらどうしようってっ…そればっか考えちゃってっ…!!気づいたらもう自分でも止められなくてっ…!!それでっ…それでっ…」
相「もういい分かった。分かったから…もう泣くな」
立ったままの相澤は、ベッドに座るの頭をゆっくりと自分の方へ引き寄せた。
「うわぁーーーん!怖かった……!!!!」
は子供のように泣いた。
相澤の背中にしがみつき、もう離れないでと、言うように。
相澤はその間優しく頭を撫でていた。
この様子を、外で伺っているものがいた。
壁に背を預け、腕組みをして立っている。
左右で違うその目には、何かを思案するような色が浮かんでいた。
?「……」
昼間は予定があって来れなかったが、夜ならと思い、お見舞いにやって来た轟であった。
の泣き声が響く。
目視はしていないものの、衣擦れの音や口調、声色で相澤もいつになくに優しく接しているのがわかる。
轟(先生がやられた時、異常に取り乱していると思ったが通りで…それに先生も…2人は一体…なんなんだ…)
轟は相澤との関係を不思議に思ったが、その場を邪魔できる雰囲気でもないと感じ、その場を後にした。