第7章 USJ
死「個性を消せる。素敵だけどなんてことないね。圧倒的な力の前ではつまりただの無個性だもの」
相澤は腹が立った。
そうではないと示すかのように、個性を発動させたが、脳無は再び相澤の腕を折った。
相「あぁーっ!!」
相(小枝でも…折るかのように…。…確かに個性は消した…つまり素の力がこれか…オールマイト並みじゃねぇか…)
脳無は相澤の頭を地面に叩きつけようと持ち上げた。
すると
轟「っ…おい!」
ドンッ!!
緑(繋原…さんっ…!!)
「ハァ…ハァ…」
が目に見えぬ速さで脳無にタックルし、相澤の上からどかすと同時に相澤の肩を支えその場から移動させていた。
相「何…やってんだ…」
「先生に…触るな…」
死「なんだよ…なんなんだよこいつ…」
「先生に…触るな!!」
がそう叫んだ時、黒霧がやって来て、飯田が先生たちに伝えに学校へ向かったことを告げた。
死柄木は子供のように癇癪を起こし、苛立ち始めた。
死「はぁ…本当に腹が立つよ。ゲームオーバーだ。でも…なんもしないで帰るのもな。あれでいいか。行け脳無。殺せ」
脳無は雄叫びを上げながらこちらへ走って来た。
「先生、お叱りは後で受けるね」
はそう言うと相澤を置き、真正面から向かっていった。
(足も腕も…同時に最適化するのはかなり負担がかかる…でも今やらないでいつやるの…!)
の足と腕は光を帯びた。
それはこれまでで一番の速さ、そして、誰かを守るための最初の一撃だった。
(入った…!手応えはある!)
のパンチは確かに脳無に届いた。
空気が割れる音、重たい肉を打ち抜く感触。
間違いなく「入った」。それでも──
砂煙が晴れると、そこに立っていたのは、無傷の脳無だった。