第6章 相応しき委員長
相「じゃあ、委員長は緑谷。副委員長は八百万だ」
2人は前に立たされた。
緑「マ、マ…マジで…?マジでか…?」
デクは震えていた。
八「ん〜…悔しい…」
蛙「いいんじゃないかしら」
切「緑谷、なんだかんだで熱いしな」
上「八百万は講評の時のがかっこよかったし」
飯田は終始悔しそうだった。
お昼時になり、は再びお茶子たちと食堂にいた。
麗「うわぁ〜!今日もすごい人だね!」
飯「ヒーロー科の他に、サポート科や経営科の生徒も一堂に会するからな」
お茶子はご飯を口に運んだ。
麗「お米がうまい!」
も小さく頷く。
緑「うわぁ…いざ委員長やるとなると務まるか不安だよ…」
麗「務まる」
「うんうん」
飯「大丈夫さ」
緑「あ…」
飯「緑谷くんのここぞという時の胆力や判断力は、"多"を牽引するに値する。だから君に投票したのだ」
緑「君だったのか!?」
麗「でも飯田くんも委員長やりたかったんじゃないの?眼鏡だし」
緑(何気にざっくりいくよな…麗日さん…)
(それ関係あるのか…?)
飯「やりたいと相応しいか否かは別の話。僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」
麗、緑、「「「僕!?」」」
緑「いつもは"俺"って…」
飯「んっ…いや、あ、それは…」
麗「ちょっと思ってたけど、飯田くんて、坊ちゃん?」
飯「ぼっ…そう言われるのが嫌で、一人称を変えていたんだが…」
3人はジロジロと飯田を見つめた。
飯「はぁ…あぁ。俺の家は代々ヒーロー一家なんだ。俺はその次男だよ」
麗・緑「「えぇ〜!すご〜!」
「ほう」
飯「ターボヒーロー、インゲニウムは知っているかい?」
(分からん…)
緑「もちろんだよ!東京の事務所に65人もの相棒を雇ってる、大人気ヒーローじゃないか!はっ…まさか…」
(出た、緑谷くんのヒーロー博識)
飯田は自信満々にそれが兄だと答えた。
飯「規律を重んじ、人を導く愛すべきヒーロー。俺はそんな兄に憧れ、ヒーローを志した。しかし、人を導く立場はまだ俺には早いのだと思う。俺と違って、実技入試の構造に気づいていた上手の緑谷くんが、就任するのが正しい」
飯田は笑顔を見せながらそう言った。