第6章 相応しき委員長
翌日
オールマイトが雄英の教師になったことが広まり、雄英の前には記者が溢れかえっていた。
学校に向かう人向かう人全てにマイクを向けている。
(なに…この騒ぎ…学校に入れない…)
は少し離れたところから、記者達の姿を見つめた。
汗ばむような熱気が漂う空気の中、囲み取材を受けているデクやお茶子達がいた。
記者「オールマイトの授業はどんな感じですか?」
緑「ぐっ…がっ…すみません!僕、保健室に行かなきゃいけなくて…」
記者「平和の象徴が教壇に立っている様子を聞かせてくれる?」
麗「よ…様子?え、えーっと…筋骨隆々…です」
(さっきから似たような質問を…)
記者「教師オールマイトについてどう思ってます?」
飯「最高峰の教育機関に自分は在籍しているという事実を殊更意識させられますね。威厳や風格はもちろんですが、他にもユーモラスな部分など、我々学生は常にその姿を拝見できるわけですから…」
(長っ…捕まったらめんどくさそうだな)
するとは自分の姿を見えないくらいに分解し、門をくぐり昇降口へと向かった。
その瞬間、ささやかな風が記者達の頬を撫でた。
峰「ったく…オイラには質問無しかよ…オイラだってヒーロー科なんだぞ!」
峰田がそんなことを1人で騒いでいるとは音もなく姿を戻した。
(朝から騒がしい人だ…)
「…おはよう。……モギモギ」
峰「うわぁぁぁぁぁ!お前どっから来たんだよ!びっくりするじゃねぇか!」
「普通に、昇降口から」
(まぁ、ナノ化して来たから、分からないのは当然だけど)
峰「嘘だ…絶対嘘だろ…」
「……」
は答えず、そのまま教室へと向かった。
峰「また、無視かよ!」
後ろから響くそんな声を聞いて、は少しニヤリとした笑みを浮かべていた。
(……イタズラ成功)