第5章 戦闘訓練
相「前も言ったがそう思うならちゃんとヒーローになれ」
「はい」
相「じゃあお前もそろそろ帰れよ」
は自分のことでいっぱいで意識していなかったが、デクが腕を負傷し、運ばれていったのを思い出した。
「あ、相澤先生」
相「なんだ」
「緑谷くんて、まだ保健室ですか?」
相「あぁおそらくな。あいつも毎度あんなんなってるようじゃダメだ」
「じゃあ…先生が導いてあげてください。私を導いてくれてるように」
相「…」
「ありがとうございました。さようなら」
相(そんなに俺を慕ってなんでも響いちまうのはお前くらいなんだがな。全員に俺の声が届くわけじゃねぇよ)
相澤はそんなことを思うのだった。
が保健室に行くとデクはちょうど目を覚ましたところだった。
「おはよう、緑谷くん。て、もう夕方だけど」
緑「えっ…!!あ!お、おはよう…!!」
緑(ははははは…初めてだよ…!お母さん意外の女の人におはようなんて言われたの!!)
「…??腕、貸して」
緑「あ、あぁ…うん…」
は手をかざした。
「ごめんね、もっと早く来れなくて」
緑「あ、いや…全然…僕の方こそ…」
「なんで緑谷くんが謝るの?」
緑「…修復には膨大なエネルギーがいるって…ほら、この前かっちゃんに言ってたから…本当は負担とか掛かってるんじゃないかなって…」
「あぁ…平気だよ。このくらいの怪我を治すなら全然。なくなった腕一本まるまる修復とかだと結構やばいけど…この程度なら少し疲れるかな、くらいだから。それに…」
緑「??」
「そのくらいの代償で、救われる人がいるなら私は喜んで使うよ。少し疲れたとしても」
緑「あぁ…」
「よし、そろそろ治ったかな」
デクが腕を見るとほとんど完璧に治っていた。
はそれを確認するとすぐ帰り支度を始めた。
「それじゃあ、また明日。頑張ろうね、緑谷くん」
が出ようとすると、デクが呼び止めた。
緑「ま、待って…!繋原さん!」