第5章 戦闘訓練
オ「第2戦──ヴィラン:轟・繋原組 VS ヒーロー:切島・八百万組!開始ッ!」
グラウンドβ、模擬ビルの中に「核兵器」とされた物体が配置されている。
と轟はその横で待機していた。
(……ここで私がミスすれば、敗北どころか“個性を恐れられる”可能性だってある……冷静に、冷静に……)
轟「正面は俺が抑える。繋原は裏手の階段下、見えにくい死角に」
「了解」
この短いやりとりだけで、相性の良さが伝わる。
ヒーロー側──切島と八百万がビルの外壁を駆け抜けてくる。
切「入るぞ!八百万!背中任せた!」
八「任されたわ!」
切島が先行突入。
その真っ直ぐな突撃を、轟が凍結で真正面から迎え撃つ。
ガシャァァンッ!
床が凍りつき、足場を奪われた切島が一瞬バランスを崩す。
が、硬化による耐性で強引に踏ん張り、氷を砕いて突進を続ける。
その隙に、八百万がサポートアイテムを生成しながらビル内部へ。
(タイミング、今……)
八百万の進行方向を先読みし、はそちらに向かいながら足元の床材の分子構造を一時的にずらした。
ズルッ…!
八百万の足が一瞬滑るが、すぐに姿勢を立て直す。
八「っ……なに……?」
(よし、バレてない……このまま、核兵器の周囲に罠を再構築して囲い込めば──)
その瞬間、切島が轟とのぶつかり合いから一歩外れ、の方へ向かってきた。
(来る……正面衝突は避けたい。でも間合いに入らないと…危機の時は私も分解して避けよう。そして切島くんの身体の分解で関節制御をズラして……)
切島の拳が振り下ろされる直前、は体をねじるようにしてかわし、左腕に“分解再構築”を仕込む。
だが──