第13章 林間合宿
「独りがどれだけ心細いか、人よりはよく知ってるつもりです。でも…轟くんと話した時も思ったんですけど…愛された記憶があるのに、1人置いてけぼりにされてしまうというのは、愛を知らないより、よっぽど辛いんじゃないかって…」
相「……」
相澤は黙って耳を傾けた。
「…正解が…分からなくなりました…。」
は立ち止まり、俯いた。
相「…それは俺たちヒーローにとっての一生の課題だ。答えが出ることはない」
「…一歩近づいたと思ったらまた離れて…分からなくなって…。…愛や情って素晴らしいけど、残酷なものですね…」
相「…そうかもしれないな」
相(誰に愛情を受けることも向けることもなかったお前が、それで悩んでる。その悩みさえ、成長の証だ。もっと悩んで、もっとたくさんの感情を知って、強くなれよ)
は潤む目を擦って、顔を上げた。
「でもね、先生。無謀と思うかもしれないけど…」
相澤はの顔を見た。
「私…"1つ"だけ、それを全て解決する答えがあると思うの」
相「…なんだ」
「敵を1人残らず排除して、誰も悪さをすることがなくなる世界」
分かっている。
叶うことない、ほとんどあり得ない世界だ。
それでもは希望を持たずにはいられなかった。
相「…」
「そしていつか…ヒーローが居なくてもみんなが笑える、そんな世界が来たら、洸汰くんのようにつらい思いをする人も、私のように悩んでしまう人も、いなくなるんじゃないかな」
相「あっ……」
相澤は目を見開いた。
ほとんどの人がヒーローに憧れるこの時代。
ヒーローを目指す者の口から、ヒーローが居なくなった世界の話を聞くなど、予想だにしなかった。
「そんな世界を作れるヒーローに、私はなりたい。だから、私頑張るよ。先生」
が、自己否定の殻を破った瞬間だった。
相澤はフッと目を細め、拳を突き出す。
相「おう」
は笑って、相澤の拳に自分の拳をぶつけた。
静かな夜には似合わないほどの熱意が、の中に宿っていた。
しかしその炎消そうとする動きもまた、着々と進んでいた。