第13章 林間合宿
「でも私は…両親がいなくなって寂しい、ヒーローなんて無ければって気持ちを持てること、少し羨ましいよ。それは愛されてた証拠だから。それとそんな気持ちを持てる洸汰くんは優しい子だと思う」
緑「繋原さん…」
洸「…」
そして、は振り返って微笑んだ。
「ちょっと捻くれてるとこあるけどね。それじゃ、私はもう行くね」
はデクの肩に手を置いて、バトンを渡した。
(次は緑谷くんの番だよ。待ってて、洸汰くん…あと少し…あと少しで…私や洸汰くんのような思いをする子が出ないような世界を…私たちが作ってみせるから)
は自分の存在を証明すると、ヒーローを志望していた。
しかし今、の中には確実にそれ以外の動機が芽生え始めていた。
そしてそんなの背中を洸汰は複雑な表情で見送っていた。
デクはバトンを受け取り、少し重たい口を開いた。
緑「君の両親さ…ひょっとして水の個性のウォーターホース?」
洸「マンダレイか!?さっきの女も…」
緑「あ…あ、いや、えっと…あ…ごめん!うん…なんか、流れで聞いちゃって…情報的にそうかなって…。残念な事件だった。覚えてる。」
洸「うるせぇよ…」
洸汰は泣きそうな顔を隠すように、デクから顔を背けた。
洸「頭イカれてるよ、みんな…バカみたいにヒーローとか敵とか言っちゃって殺し合って…個性とか言っちゃって…ひけらかしてるからそうなるんだバーカ」
緑(ヒーローだけじゃない…洸汰くんは個性…超人社会そのものを憎んで…)
そう。デクが今気づいたことをはいち早く気づいていたのだ。