第13章 林間合宿
そんな中、は口を開いた。
「洸汰くんは…愛されてましたか?」
マ「え…?」
デクもマンダレイもピクシーボブも、の顔を見た。
マ「えぇ…とても大事にしてたよ」
「なら…ならいつかヒーローのこと…両親のことを理解できる時が来ます。大丈夫」
緑「でも今が理解できないから大変って話で…」
「緑谷くん」
緑「あ…」
「どんなに孤独でも…どんなに苦しくても…時間は過ぎていく。時間は寄り添って一緒に立ち止まってはくれない。でも、時が過ぎれば癒える傷があるのも事実。時間は最大の薬にもなる。それに…」
は一度目を伏せるともう一度顔を上げた。
「それに洸汰くんはもう皆さんと出会ってる。大切に思ってくれるヒーローに。その出会いがいつか必ず洸汰くんを変える時が来る。過去の私と同じように」
緑「繋原さん…」
マ「過去のあなた…?」
「私は、相澤先生…イレイザー・ヘッドと出会って、人生が変わりました。しかも私と違って洸汰くんは両親に愛された記憶がちゃんとある」
ピ「ま、待って…私と違ってって…」
「私は個性のせいで、研究対象として病院に売られました。両親に」
は腕の傷を見せた。
マンダレイとピクシーボブもあの時のみんなと同じように息を呑んだ。
「そんな私でもここにいるんです。いろんな人に支えてもらいながらですけど、ちゃんと自分の足で立ってる。だから洸汰くんも、納得はできなくても、理解して、前に進める時が必ず来ます。だから、きっと大丈夫です」
が言う言葉だから、説得力があると、デクは思った。
自分が言ったんじゃ、あまりにも軽くて誰の元にも届かないだろう。
デクはそんなことを思っていた。
マ「…ありがとう。洸汰があなたに懐いてた理由が分かった気がするよ。厨房の前で2人で話してたでしょ?」
緑「そうなの?」
「え、あ、うん…でも懐かれてるって言うのか…?あれ…」
マ「悪態つく子だけど、他の人とはあんな長い時間話さないもの」
「そう…ですか…」
マ「よろしくね、洸汰を。緑谷くんも」
・緑「「…はい」」
2人の返事が、重なった。