第13章 林間合宿
マ「落下の恐怖で失神しちゃっただけだね。ありがとう」
緑「い、いえ…」
マ「イレイザーに1人性欲の権化がいるって聞いてたから、見張ってもらってたんだけど…最近の女の子って発育いいからね」
(モギモギ…なんて恥ずかしいやつ…)
緑「とにかく何もなくて良かった…」
マ「よっぽど慌ててくれたんだね」
マンダレイがデクの方を見ると、デクは腰にタオルを巻きつけ、それ以外は何も身につけていなかった。
マ「あなたもついてきてくれてありがとう」
「いや私は何も…」
デクは洸汰の言葉を思い出した。
"ヒーローになりたいなんて連中と、つるむ気はねぇよ!"
緑「洸汰くんは、ヒーローに否定的なんですね…。僕の周りは昔からヒーローになりたいって人ばかりで…。あ、僕も…。で、この歳の子がそんなふうなの珍しいなって思って」
も黙ってマンダレイの話を聞いた。
マ「そうだね…当然世間じゃ、ヒーローをよく思わない人もたくさんいるけど…普通に育ってれば、この子もヒーローに憧れてたんじゃないかな」
「普通…?」
ガチャッ
するとピクシーボブが部屋に入ってきて、話を続けた。
ピ「マンダレイのいとこ、洸汰の両親ね。ヒーローだったけど…殉職しちゃったんだよ」
緑「えっ…」
(殉職って確か…仕事で責任果たそうとして死んじゃうことだよね…)
マ「2年前、ヴィランから市民を守ってね…。ヒーローとしてはこれ以上ないほどに、立派な最期だし、名誉ある死だった。でも…物心ついたばかりの子供には、そんなことわからない。親が世界の全てだもんね」
(愛してた人に置いてかれてしまうのは…つらいよね…)
マ「"両親は僕を置いて逝ってしまった"。なのに世間はヒーローとして、いいこと、素晴らしいことと、褒め称え続けた。同じヒーローである私らのことも、よく思ってないみたい」
緑「あぁ…」
マ「けれど他に身寄りもないから従ってるって感じ。洸汰にとってヒーローは、理解できない、気持ち悪い人種なんだよ」
立て続けに聞く価値観の相違に、デクは何も言えなかった。