第13章 林間合宿
人気の少ない廊下を、部屋での風呂を済ませたはゆっくりと歩いていた。
天井の照明が淡く揺れ、足音が控えめに響く。
(温泉は……まだ無理だな。傷、見られたくないし)
タオルで髪をくしゃっと拭きながら、少しずつ施設の構造を確かめるように奥へと進む。
その時だった。
「!?」
緑「うわっ!!」
早足で廊下を歩くデクとぶつかりそうになった。
その腕の中には、ぐったりと眠る洸汰の姿。
「……緑谷くん?どうしたの、それ……洸汰くん?」
緑谷は少し焦ったように言った。
緑「さっき男子風呂で……いろいろあって……」
は一歩近づき、洸汰の顔を覗き込む。目を閉じたまま、静かに呼吸していた。
「鼻血出してるけど……また、暴れたの?」
緑「いや、今回はね、峰田くんが──壁を越えようとしてて……」
「何やってんだか……」
緑「洸汰くん、それを止めてくれて。女子に感謝されて……でも、その後ちょっと“見えちゃって”、勢いで男子風呂側に落ちちゃって。僕が受け止めたけど、気絶しちゃって……」
は数秒沈黙したのち、小さく吹き出した。
「マンダレイさんのとこ、行こう。頭打ったの?」
緑「いや、僕が一応受け止めたよ……」
「なら多分大丈夫だよ。びっくりしただけだと思う」
緑「うん…ならいいんだけど…」
は自分のタオルを肩に引っかけたまま、歩き出す。
その隣を、デクが洸汰を抱えたまま並んで歩いた。
その先には、暖かい灯りがぼんやりと揺れている、マンダレイの部屋があった。