第13章 林間合宿
仲間たちの声が飛び交い、障子と耳郎が状況を報告している。そこから自然に、連携が生まれていく。
(耳郎さんと障子くんが索敵。みんな、ちゃんと動いてる……なら、私がするべきことは──)
魔獣が、目前に現れた。は身を低くし、滑るように間合いを取り、敵の脚を分解して崩す。
そのまま駆け抜けながら、戦況を横目に捉える。
(みんながやられてないか、危ないところは──)
一瞬、遠くで芦戸が押され気味になるのが見えた。
はそちらに軌道を変え、地面を削り取るように滑り込みながら片腕を伸ばす。
「──大丈夫?」
芦「ありがと!ナイス!」
は周りの状況を把握し、危ない時にはサポートを。
自分の方に向かってくる魔獣は1人で倒した。
土煙が舞う中、は一瞬だけ足を止めた。
(……ここで立ち止まっていたら、いつまで経っても施設になんて辿り着けない)
目の前にまた、1体の魔獣が現れる。は息を吐き、構える。
(あの距離でこの数……おそらく、魔獣を出せる数は無限に近い。…なら……“倒し切る”なんて考えてちゃ、ダメなんだ)
魔獣が飛びかかるより一瞬早く、は足元の土を跳ねさせ、分子単位で分解して崩し、魔獣の体勢を崩す。
(“倒しながらでも、前に進む”。それしかない))
そう決めた瞬間、は全体を見渡して、短く、でもはっきりとした声で言った。
「立ち止まらないで!倒しながら、前に進もう!」
その声に、デクが目を見開く。
緑「……うん!」
切「おう!」
耳「了解!」
轟「……ああ」
一瞬、全体の流れがその言葉に乗った気がした。
も再び走り出す。敵の足を崩し、吹き飛ぶ石を分解して避け道を作り、前へ、前へ。
(もう、今までの私じゃない)
その背中を、後ろから轟と爆豪が見ていた。
轟(……ちゃんと“前を見てる”んだな)
爆(……舐めた動きしてんじゃねぇぞ)
その想いは違えど、視線の先は同じだった。
が切り開いた道を、仲間たちが一斉に駆け出す。