第4章 個性把握テスト
麗「……繋原ちゃん、なんか……かっこよかったな」
小声で呟いたお茶子に、耳郎が頷いた。
耳「……あんなに堂々と、言えるんだ……」
切「俺、あんな風に誰かを守ってやれるかな……」
飯田は眼鏡を直しながら、真剣な表情で言った。
飯「やはり……彼女は特別な何かを持っている気がするな」
その様子を見ていた爆豪は、舌打ちした。
爆「チッ……ヒーローごっこかよ」
だが、その横顔には、ほんの一瞬だけ、複雑な色が混じっていた。
相「はぁ…全く…。お前の個性は戻した。ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」
相澤はデクから離れた。
「頑張って」
もそう言うと相澤の後を追った。
個性を取り戻したデクは、指先にだけ個性を集中させ、相澤や周りの生徒を驚かせた。
A組「おおっ!!」
「!!」
(すごい…でも…指…怪我してる…?)
記録は705.3m
緑「先生…」
相「ん?」
緑「まだ…動けます!」
相「こいつ…」
(あ…相澤先生、喜んでる)
そしてもう1人、陰で見ていたオールマイトも喜んでいた。
オ(心配で来ちゃったけど…なんだよ少年!かっこいいじゃないか!いやしかし…緑谷少年もだが、繋原少女もだ。君たちはいずれ…このヒーロー界を引っ張っていく、そんな存在になるだろう)
オールマイトはそんな期待と確信を2人の少年少女に抱いたのだった。