第4章 個性把握テスト
は1人になり少し落ち着きを取り戻すと、戻ってきた。
デクはというと、ここで今までの分を取り返そうと個性を使ってボール投げた。
しかし、ボールがデクの手を離れるその瞬間、相澤が個性を抹消した。
緑「なっ…今…確かに使おうって…」
(消されたな)
相「個性を消した。」
緑「あっ…なっ…!?」
相「つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」
緑「個性を消した…?はっ…!あのゴーグル…そうか!抹消ヒーロー、イレイザー・ヘッド!」
(イレイザー・ヘッドって言うんだ。ヒーロー名)
相「見たとこ、個性が制御できないんだろ?」
緑「なっ…」
相「また行動不能になって、誰かに助けてもらうつもりだったか?」
緑「そ、そんなつもりじゃ…」
すると相澤は首に巻いている捕縛布で緑谷をそばに寄せた。
緑「がっ!ううっ!」
相「周りはそうせざるを得なくなるって話だ。」
緑「くっ…」
相「昔暑苦しいヒーローが大災害から1人で1,000人以上救い出すという伝説を作った。同じ蛮勇でも、お前のは1人を助けて木偶の坊になるだけ。緑谷出久。お前の力じゃヒーローになれないよ」
緑「くっ…うぅ…」
すると
「…言い過ぎです。相澤先生」
が2人のそばへと行った。
麗「ちょ…繋原ちゃん!?」
爆「はっ、アホだな」
相「ん?」
相澤はをチラリと見た。
「…1人でも、救えるなら…救われたものにとっては立派なヒーローです。…私がそう、思ったように」
それは暗に、"あなたは私を救ってくれた、立派なヒーローだ"ということを示していた。
相「んっ…」
「…個性を持っててもなんの役にも立てず逃げ出した人がいる中で、緑谷くんは頑張ってる」
相澤には分かった。
"個性を持っててもなんの役にも立たず逃げ出した人"
それが自身を指していると。
「だから…緑谷くんはヒーローになれる。なれるよ。緑谷くん」
その静かな言葉に、クラスの空気が少し変わった。
緑「あぁっ…」
デクの目にはジワリと涙が浮かんだ。
そしてその様子を陰からオールマイトも見ていた。