第13章 林間合宿
バスが山道をゆるやかに揺られる中、は徐々に瞼が重くなっていった。
──そして、不意にぐらりと体が傾く。
の頭が、爆豪の肩にコトンと寄りかかった。
爆「……おい、てめ……」
文句を言いかけたその声は、半分も出ないうちに喉の奥で止まった。
は、静かに寝息を立てていた。眉間にシワもなく、ほんの少し口を開けたまま、力の抜けた表情で。
爆「……チッ……」
舌打ち一つ、してみせたものの。
それ以上、爆豪は何も言えなかった。
そのまま、ほんのわずかに肩をずらして、が寝やすいように体勢を整える。
轟はそれに気づいて、視線だけを後ろに向けた。
爆豪の表情は見えなかったが、彼の表情が、怒っているようには見えなかった。
轟「……」
そのまま、バスは森の中を進んでいく。
──そして。
ガタンッ、と少し大きく揺れた後、ブレーキがかかる。
バスが止まり、教師陣の声が響く。
相「着いたぞ。降りろ」
A組「はいっ!」
みんながそれぞれ荷物を持って立ち上がり、バスの出口に向かう。
爆「……おい。起きろ、着いたぞ」
「……ん……?」
まだ半分眠たげな目をこすりながら、は顔を上げた。
「あ……ご、ごめん、私、寝てた……?」
爆「がっつりな。口ちょっと開いてた」
「えっ!?うそっ、やだっ……」
顔を赤くして慌てるをよそに、爆豪はバスの通路を無言で進んでいく。
その背中には、微かに笑みのようなものが滲んでいた――。