第13章 林間合宿
そしていよいよ林間合宿の日がやってきた。
相「現在、夏休み期間中に入っている。だが、ヒーローを目指す諸君らに安息の日々は訪れない。この林間合宿で更なる高みへ…PlusUltraを目指してもらう」
A組「はい!」
みんな合宿場に行くためバスに乗り込むと、またしてもは爆豪と隣であった。
・爆「「…」」
「なぜバスになるといつも爆豪くんと隣なのか…」
爆「あ!?文句あっか!?こっちのセリフだ!」
「はいはいごめんごめん…」
(うるさい…)
すると前の席にいた轟が後ろを振り返り、爆豪に言った。
轟「そんなに嫌なら席変わるが」
「轟くん…」
爆「あ!?誰も嫌とは言ってねぇ!」
(嫌ではないのにこんなに騒ぐかね普通…)
轟は「そうか」とだけ言って前を向いた。
しかし轟は少し後ろの様子を気にしているようだった。
2人はしばらく無言だった。
すると意外にもその沈黙を破ったのは爆豪であった。
爆「…おい」
「……ん?」
爆「……水、怖ぇのか」
爆豪は、プールの時のの様子を思い出していた。
「……うん」
は窓の外に視線を向けたまま、静かに答える。
爆「なんかあったのか。過去に」
少し間を置いて、は爆豪の方を見た。
「……体育祭で話したことが、全てだよ」
爆「……何された」
短く、鋭く、けれど真正面からぶつけてくる爆豪の言葉。
は一瞬だけ目を伏せて、言葉を選ぶようにしてから、口を開いた。
「それは……まだ、話せない。……いつか、ちゃんと、自分の口で言える時が来たら……そのとき話すよ」
その一言に、すぐ前の席で聞いていた轟が、振り返ろうとしかけて一瞬止まった。
──もし爆豪が無理やり聞こうとするなら止めるつもりだった。
だが──
爆「……そうかよ」
意外にも、爆豪はそれ以上追及することなく、ぼそりとそれだけを言って、そっぽを向いた。
もそれ以上何も言わず、2人の間にはまた沈黙が落ちる。
ただ、その沈黙はさっきよりも、少しだけ柔らかいものになっていた。